“一炬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっきょ90.9%
いつきよ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
否、そうしている中にあらゆるものを破壊したあの恐ろしい震災がやって来た。そして長い間の人間の努力を一炬いっきょの下に焼き尽してしまった。
日本橋附近 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
扶たちの野寺の陣は、やがて将門について押しせた郎党と土民軍の攻勢に会って、一炬いっきょの炎にされてしまい、潰走する扶たちの部下も何十人となく討たれた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女王にくみした涜神な人たちが、此僧院を一炬いつきよに附したのは、遠い昔の事である。今は此少年が再び燈心草の屋根を葺いて、老人の残年を安らかにすごすべきたよりとした。