一樹いちじゅ)” の例文
つれは、毛利一樹いちじゅ、という画工えかきさんで、多分、挿画家そうがか協会会員の中に、芳名がつらなっていようと思う。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その二は一樹いちじゅ垂楊図すいようずの上部を限るかすみあいだより糸の如きその枝を吹きなびかす処、だいなる菱形ひしがた井筒いづつを中央にして前髪姿の若衆しま着流きながし羽織塗下駄ぬりげたこしらへにて居住いずま
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其家そこへ行って拙者は武辺修行ぶへんしゅぎょうの者でござる、かる山中さんちゅうみちに踏み迷い、かつ此の通り雨天になり、日は暮れ、誠に難渋を致します、一樹いちじゅの蔭を頼むと云って音ずれると、奥から出て来た
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)