“一昔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとむかし57.1%
ひとむか42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時はあからさまに言ひがたき事なきにあらざりしかど十年一昔ひとむかしの今となりては、いかに慎みなきわが筆とて最早もはわざわいを人に及さざるべし。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
私が以前美女ヶ原で、薬草を採ったのは、もう二十年、十年が一昔ひとむかし、ざっと二昔ふたむかしも前になるです、九歳ここのつの年の夏。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本屋ほんやまへとほると、屹度きつとなか這入はいつてたくなつたり、なか這入はいるとかならなにしくなつたりするのは、宗助そうすけからふと、すで一昔ひとむかまへ生活せいくわつである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
本屋の前を通ると、きっと中へ這入はいって見たくなったり、中へ這入ると必ず何か欲しくなったりするのは、宗助から云うと、すでに一昔ひとむかし前の生活である。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)