一刀ひとたち)” の例文
金蔵の首へかけた縄は放さなかったけれど金蔵の刀は避けられず、またしても左の額際ひたいぎわ一刀ひとたちやられた。血がほとばしって眼へ入る。
と云いながら鉄砲を放り出して雑木山へ逃げ込んだが、木の中だから帯が木の枝にからまってよろける所を一刀ひとたちあびせると
振向く処を一刀ひとかたな、向うづきに、グサと突いたが脇腹で、アッとほとんど無意識に手できずおさえざまに、弱腰を横に落す処を、引なぐりにもう一刀ひとたち、肩さきをかッと当てた、が
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只水司又市に一刀ひとたちも怨まぬのが残念でございます、私の親と申しまする者は、元は榊原藩で貴方も御同藩なら御存じでいらっしゃいましょうが、十七年あとに家出を致しまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
九平、修理、力を合せて、一刀ひとたちずつ目をきずつく、獅子伏す。討手そのかしらをおさう。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此のていたらくを見て、小平の逃げるに構わず突然いきなりおかくばゝあ一刀ひとたちあびせかけると、おかくはキャッと声を上げて倒れる其の上へ乗しかゝり、喉元をえぐっているうしろへ小平がそっと𢌞り
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)