“モラル”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
倫理	37.5%
精神	25.0%
道徳	12.5%
道徳的寓意	12.5%
道義	12.5%

倫理

軽部の倫理（モラル）は「出世」であった。若い身空で下寺町の豊沢広昇という文楽の下っ端三味線ひきに入門して、浄瑠璃を習っていた。浄瑠璃好きの校長の相弟子という光栄に浴していた訳である。

雨 (新字新仮名) ／ 織田作之助(著)

精神

長いあいだの放任によって彼の心に及ぼした影響——灰色の壁と塔とそれらのものが見下ろしているうす暗い沼との形象（フィジィク）が、とうとう彼の精神（モラル）にもたらした効果——に関して

アッシャー家の崩壊 (新字新仮名) ／ エドガー・アラン・ポー(著)

道徳

その怪物は現実に於て、着々有力な事実となり、今までの心理を崩し、道徳（モラル）を崩し、理智を破り、感情を歪（ゆが）め、しかもそれらの混乱が新しい現実となって世間を動かして来た。

純粋小説論 (新字新仮名) ／ 横光利一(著)

道徳的寓意

また聖（セント）ポール大会堂でその道徳的寓意（モラル）が説教の材料とされるに及んで、各地の教会の牧師も好んでこの作を引用し、世評は益々高まり、この書は大いに読まれて

ジーキル博士とハイド氏の怪事件 (新字新仮名) ／ ロバート・ルイス・スティーブンソン(著)

道義

「憲兵隊の道義（モラル）は、いったいどういうところにあるんです」

ノア (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)