“わきい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
湧出80.0%
沸出20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石の左右に、この松並木の中にも、形の丈の最もすぐれた松が二株あって、海に寄ったのは亭々ていていとして雲をしのぎ、町へ寄ったは拮蟠きっはんして、枝を低く、彼処かしこ湧出わきいづる清水にかざす。……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
汽車のとどろきの下にも埋れず、何等か妨げ遮るものがあれば、音となく響きとなく、飜然ひらりと軽く体をわす、形のない、思いのままに勝手な湧出わきいずる、空を舞繞まいめぐる鼓に翼あるものらしい
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千早振ちはやふ神無月かみなづきももはや跡二日ふつか余波なごりとなッた二十八日の午後三時頃に、神田見附かんだみつけの内より、塗渡とわたあり、散る蜘蛛くもの子とうようよぞよぞよ沸出わきいでて来るのは、いずれもおとがいを気にしたまう方々。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)