“よしちやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
葭町50.0%
芳町50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いよ/\御神燈ごしんとうのつゞいた葭町よしちやう路地口ろぢぐちへ来た時、長吉ちやうきちはもうれ以上果敢はかないとか悲しいとか思ふ元気さへなくなつて、だぼんやり
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
萬事ばんじが金銭上の義理ばかりでなくて相方さうはうの好意から自然とおいと葭町よしちやうくやうにれがひるともなくきまつてたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
路地の最も長くまた最も錯雑して、恰も迷宮の観あるは葭町よしちやうの芸者家町であらう。路地の内に蔵造くらづくりの質屋もあれば有徳うとくな人の隠宅いんたくらしい板塀も見える。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それのみならず去年の夏のすゑ、おいと葭町よしちやうへ送るため、待合まちあはした今戸いまどの橋からながめたの大きなまるい/\月を思起おもひおこすと、もう舞台は舞台でなくなつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
晴代は芳町よしちやうで半玉から一本に成りたての頃から、ひまさへあると外国物それも重にイタリイやアメリカものの上演される水天宮館へ入り侵つてゐたもので
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
夫 (小説を声高に読みはじめる)「芳町よしちやうで幅の利く顔役、弥太やたらうげん七が出先から子分に持たせてよこした手紙を見た女房おげんの顔の色がさつと変り……」
世帯休業 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)