“ゆうきゅう”の漢字の書き方と例文
語句割合
悠久100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悠久ゆうきゅうなる天地の間にいかに自己が小なものかということを強く強く考えて見たまえ。卑俗ひぞくな欲望にあせって自我じが執着しゅうちゃくするのが馬鹿らしくなってくるよ。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
天地はこの有望の青年に対して悠久ゆうきゅうであった。春は九十日の東風とうふうを限りなく得意のひたいに吹くように思われた。小野さんはやさしい、物にさからわぬ、気の長い男であった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それも今と少しも変らない——悠久ゆうきゅうとして黄色い濁流を、中国と日本のあいだの——大きな天地かられば一またぎのみぞに過ぎない海へ——不断に吐き出していたのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)