“やがすり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
矢絣82.9%
矢飛白17.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
銘仙矢絣やがすり単衣ひとへに、白茶の繻珍しゆちんの帯も配色うつりがよく、生際はえぎはの美しい髪を油気なしのエス巻に結つて、幅広のねずのリボンを生温かい風が煽る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「エエ、一度訪ねました。併し、新しい発見は何もないと云っていました。その筋でも、やっぱり例の矢絣やがすりの女を問題にしている様ですね」
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ぼうとなる大願発起痴話熱燗あつかんに骨も肉もただれたる俊雄は相手待つ間歌川の二階からふと瞰下みおろした隣の桟橋さんばしに歳十八ばかりのほっそりとしたるが矢飛白やがすりの袖夕風に吹きなびかすを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
この女がなぜ矢飛白やがすりという綽名をつけられたかと云うと、すぐれて容貌がよく、こんな稼業にはめずらしい上品な女なのですが、玉に疵というのは全くこのことでしょう。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)