“むかうがは”の漢字の書き方と例文
語句割合
向側100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもて窓際まどぎはまで立戻たちもどつて雨戸あまどの一枚をすこしばかり引きけて往来わうらいながめたけれど、向側むかうがは軒燈けんとうには酒屋らしい記号しるしのものは一ツも見えず、場末ばすゑまちよひながらにもう大方おほかたは戸をめてゐて
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
女中ぢよちうはうは、前通まへどほりの八百屋やほやくのだつたが、下六番町しもろくばんちやうから、とほり藥屋くすりやまへで、ふと、左斜ひだりなゝめとほり向側むかうがはると、其處そこ來掛きかゝつたうすもの盛裝せいさうしたわかおくさんの
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
麹町かうぢまち番町ばんちやう火事くわじは、わたしたち鄰家りんか二三軒にさんげんが、みな跣足はだし逃出にげだして、片側かたがは平家ひらや屋根やねからかはら土煙つちけむりげてくづるゝ向側むかうがは駈拔かけぬけて、いくらか危險きけんすくなさうな、四角よつかどまがつた
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)