“ひきづな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
曳綱42.9%
引綱14.3%
曳索14.3%
牽綱14.3%
索綱14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
区名入りの半纏、豆しぼりの手拭、赤や白の鉢巻、大男の子供たちが、二本の曳綱ひきづなに群がって歩いて行くと、山車の中から、勇ましく、にぎやかに、かねと太鼓とが鳴りひびく。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
それから、起重機の鎖から危くぶらさがっている物騒ぶっそうな梁に、うま引綱ひきづなをしばりつけなければならないのだ。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
どうした間違いか、もう一本の吊鎖つりぐさりが外れたのだ。その拍子ひょうしに、人夫たちのたぐり寄せていた引綱ひきづなも、彼等の手からぐいっと持ってゆかれて、すべり落ちてしまったのだ。
秋空晴れて (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
曳船と龍睡丸をつなぐ、曳索ひきづなをはなった。水先案内人は、それではと、私とかたい握手をして
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
長い竹をここ、かしこと、岩の上に渡したのは、牽綱ひきづなをわが勢にさからわぬほどに、すべらすためのはかりごとと云う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一郎君は小声で言って、ポケットから愛用のジャック・ナイフを取出すと、それでボートの索綱ひきづなをプッツリと切断しました。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)