“とむね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吐胸70.0%
肚胸10.0%
度胸3.3%
十棟3.3%
太胸3.3%
戸胸3.3%
突胸3.3%
途胸3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は吐胸とむねを突かれる気がしました。僕は自分のなりをかえりみました。僕はふだん大抵中学時代の制服を着て、朴歯ほおばの下駄を履いています。
わが師への書 (新字新仮名) / 小山清(著)
綾や絹はおろかな事、珠玉とか砂金さきんとか云う金目かねめの物が、皮匣かわごに幾つともなく、並べてあると云うじゃございませぬか。これにはああ云う気丈な娘でも、思わず肚胸とむねをついたそうでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は、はっと度胸とむねを突いて、「柳沢は昨日鎌倉に行ったはずだが」と思いながらなお女下駄をよく見るとそれも紫の鼻緒に見覚えのあるお宮の下駄らしい。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「好きな人ってだれです?」私は、そういいながら、腹の中ではッと度胸とむねきながら、もしやお前でも夜の人目を忍んでたずねて来てくれたのではないかと思った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
十棟とむね籾倉もみぐらから物ノ具倉、母屋おもやもはや炎でございまする」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思わず色を変えて太胸とむねを突いた。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
もう……十何年も昔のことですが、その記憶がハッと戸胸とむねへきましたので、ああこれはいけないと、即座に、自分の死が見える気がしたのです
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
轟然ごうぜんと駆て来た車の音が、家の前でパッタリ止まる。ガラガラと格子戸こうしどく、ガヤガヤと人声がする。ソリャコソと文三が、まず起直ッて突胸とむねをついた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と云われて源次郎は途胸とむねを突いて大いに驚き