“すすりな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
啜泣42.9%
歔欷35.7%
涕泣7.1%
欷歔3.6%
嗚咽3.6%
欷泣3.6%
歔唏3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
啜泣すすりなきになろうとするのをじっと堪えた。……不断は柔和で打ち沈んだ父だったけれども何んという男らしい人だったろう。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
わたしの心はひややかであった。何の感動もない数分間が過ぎた、そして、わたしは唯、母の歔欷すすりなく声を聞いただけであった。
三等郵便局 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
柳麗玉の笑いは涕泣すすりなきに変っている。
彼女は小さい手を荒々しく振り上げて、エミリイを椅子から叩き落しますと、急に欷歔すすりなきはじめました。セエラが泣くなどとは、今までにないことでした。
セエラは両手をひしと顔に押しあてて、欷歔すすりなきはじめました。セエラが泣くとは——アアミンガアドは、何か今まで気のつかなかったことに気のついた気がしました。
止め度もなく嗚咽すすりないた後で、英国のある老政治家と少女との恋のロオマンスについて彼女特得の薔薇色ばらいろの感傷と熱情とで、あたかもぽっと出の田舎ものの老爺に
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と、弥生は欷泣すすりなきながら言つた。
蒼茫夢 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
彼は教師の顔色からそれが怒りだす気持でないのを敏感に見て取ると、「先生——あたいは画がうまいだろう?」と言い放った。杉本は唇を噛んでまるで歔唏すすりなきを堪えるような顔をした。
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)