“けんつく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
剣突70.8%
劍突12.5%
険突8.3%
拳突4.2%
権突4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ばかめ、こんな爺さんをつかめえて、剣突けんつくもすさまじいや、なんだと思っていやがんでえ、こう指一本でもしてみろ、今じゃおいらが後見だ
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
電話口で交換手に呶鳴りつけることもなければ、誂へた辨當が遲いと言つて給仕に劍突けんつくを喰はせることもない。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「おいおい。人の頭の上で泥下駄を垂下ぶらさげてる奴があるかい。あっちの壁ぎわがいてら。そら、駱駝らくだの背中みたいなあの向う、あそこへ行きねえ。」と険突けんつくを食わされた。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「えっ、あぶねえ」と拳突けんつくわされても黙っておらねばならん。高柳君は幽霊のようにあるいている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「また新橋の先までがしに行って、拳突けんつくを喰ったんじゃないか。つまらない」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
郵便局のやといや、税務署の受附などに、時おり権突けんつくを食わせられる度に、ますますいやになった。それから軍人も嫌であった。
枯菊の影 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)