“ぐほう”の漢字の書き方と例文
語句割合
求法100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「若くて、求法ぐほうに執心な者も多勢おおぜいいるから、いちど、範宴御房の華厳経けごんきょうの講義でもしてもらいたいものじゃ。——この身も、聴いておきたいし」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道元は求法ぐほうのために瀕死の師を捨てた明全和尚みょうぜんおしょうを讃美している。その心持ちが彼をして「孝」をもしりぞけしめた。「孝」とは本来親子の間の深い愛である。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
かの唐の太宗の命を受けて印度に向った玄奘三蔵げんじょうさんぞうが、流砂りゅうさを渡り葱嶺そうれいを越えた苦難の旅も、これほどではあるまいと思われた。三蔵のは求法ぐほうのための困苦である、それは自他の利益もあったであろう。
身心ともにしびれて生けるしかばねのような肉体のからに、ただ、彼の意念の火が——生命の火だけが——赫々あかあか求法ぐほうに向って燃えているのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず、仏法の道理を知って、幾分の名誉を得、今入宋求法ぐほうの志を起こしたのも、皆この師の恩でないものはない。しかるに今師は老病の床について、余命いくばくもない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
いつか涙の白いすじが、彼のすさまじい求法ぐほうの一心をいているひとみから溢れて、滂沱ぼうだとして頬にながれ落ちるのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)