“くや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
口惜78.3%
19.4%
1.0%
0.7%
口悔0.1%
0.1%
恨悔0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、思う下から、山田美妙斎の小説は、なんとばらしく、女の肉体の豊富さを描きつくしているのだろうと、口惜くやしいほどだった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そしてじっと病人を見ていると、なんとも言われない悲しみとくやみとが起って来る。今ここで死に掛かっているのは恋人に違いない。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
「——あなたのご臨終もはや近づいたので、今日は、おくやみをのべに上がりました」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
坐蒲団ざぶとんを敷いて坐る前に、お房やお菊のくやみだの、郷里くにに居るしゅうとめからの言伝ことづてだの、夫が来てよく世話に成る礼だのを述べた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「才さんに學資を出して貰やあせず……。」勝代は兄がややもすると、自分の樂しい理想を破らうとするのが口悔くやしくて、かう言ひ放つて、顏を見られぬやうに炬燵の上に首伏うつぶした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
てよ! あのまどからるゝ光明あかりは? あれは、東方ひがし、なればヂュリエットは太陽たいやうぢゃ!……あゝ、のぼれ、うるはしい太陽たいやうよ、そして嫉妬深りんきぶかつきころせ、彼奴あいつ腰元こしもとそもじはううつくしいのをくやしがって
そしてなお老僧のいうのには、その場合その人自身の頭脳あたまに、何か一つ残るものがあって、それは各人にってことなるが、もしも愛着心あいじゃくしんの強い人ならば、それが残ろうし、恨悔くやしい念があったらば
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
その中でも吾輩の「脳髄論」の内容は、ここに挟んだ切抜きの通り、既に新聞に破抜ぱぬかれているので、これ以上の内容がある訳でもないから、くやしい事はちっともない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)