“くじゅうくり”の漢字の書き方と例文
語句割合
九十九里100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや別にどこへ来たというのでもないです。お祖父じいさんの墓参をかねて、九十九里くじゅうくりへいってみようと思って……」
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
海上暴風雨しけのためにいつもは房州へはいるはずの、仙台米の積船ふねが、いわしのとれるので名高い九十九里くじゅうくり銚子ちょうしの浜へはいった。江戸仙台藩の蔵屋敷からは中沢なにがしという侍が銚子へ出張した。
はるかに聞ゆる九十九里くじゅうくりの波の音、夜から昼から間断なく、どうどうどうどうと穏やかな響きを霞の底に伝えている。九十九里の波はいつでも鳴ってる、ただ春の響きが人を動かす。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)