“かわづら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
川面79.2%
河面20.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
低い舷の外はすぐに緑色のなめらかな水で、青銅のような鈍い光のある、幅の広い川面かわづらは、遠い新大橋にさえぎられるまで、ただ一目に見渡される。
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしいよいよ首尾の松が水の上にと長くその枝をのばしているあたりまで来ると、川面かわづらの薄暗さをさいわい彼方かなたにも此方こなたにも流れのままにただよわしてある屋根船の数々
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いと賑々にぎにぎしけれど今日は淋びしく、河面かわづらにはさざなみたち灰色の雲の影落ちたり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もういくら待っても人通りはない。長吉は詮方せんかたなく疲れた眼を河の方に移した。河面かわづら先刻さっきよりも一体にあかるくなり気味悪い雲の峯は影もなく消えている。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)