“かいはく”の漢字の書き方と例文
語句割合
灰白100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この画面の模糊とした灰白かいはくの部分は、そらなのか、水なのか。この蝶は、飛んでいるのか、流れているのか。
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
庭の砂の、かすかに代赭たいしゃをまじえた灰白かいはくの色も、それを踏む足の心持ちも、すべてなつかしい。滑らかな言葉で愛想よく語る尼僧の優しい姿にも、今日初めて逢ったとは思えぬ親しさがある。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
一方の側には町家が並んで、家々は屋根を月光にさらして、灰白かいはく色にぼかしていたが反対の側には川があって、水が音も立てずに流れていた。すなわち神田川の流れである。四人は先へと進んで行く。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)