“おおやぶ”の漢字の書き方と例文
語句割合
大藪100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の大藪おおやぶの陰を通る時、一匹の狐物陰より現はれて、わが車の上に飛び乗り、さかなとって投げおろすに。しゃツ憎き野良狐めト、よくよく見れば年頃日頃、憎しと思ふ聴水なれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
朝三チョウサンノ食秋風シュウフウクとは申せども、この椎の実とやがて栗は、その椎の木も、栗の木も、背戸の奥深く真暗まっくら大藪おおやぶの多数のくちなわと、南瓜畑の夥多おびただしい蝦蟇がまと、相戦うしょうに当る、地境の悪所にあって
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
八百年来の大藪おおやぶだ。根こそぎ焼き払わねば、新しい若草の芽はえ出でぬ。……この山一つとそち達はいうが、信長は、叡山ひとつの処置に逆上しておるのではない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)