木の葉山女魚このはやまめ
奥山へは、秋の訪れが早い。 都会では、セルの単衣の肌ざわりに、爽涼を楽しむというのに、山の村では、稗を刈り粟の庭仕事も次第に忙しくなってくる。栗拾いの子供らが、分け行く山路の草には、もう水霜が降りて竜胆の葉がうなだれる。 渓流の波頭に騒ぐ北 …