古傷を抉られる——という言葉がある。恰も「文学界」誌上に発表された遠藤周作氏の『海と毒薬』という小説を読んだ時、私は全く自分等の古い傷痕を抉られたような心境だった。 というのは、この小説が戦争犯罪人というレッテルと、重労働二十五年という刑罰 …
著者 | 平光吾一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「文藝春秋 昭和三十二年十二月号」文藝春秋新社、1957(昭和32)年12月1日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約25分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約41分(300文字/分) |