革命を待つ心かくめいをまつこころ――今の実業家、昔の実業家――――いまのじつぎょうか、むかしのじつぎょうか――
私が井上侯の所へいつたのは學生時代のことであつたから、二十歳くらいであつたろう。それから五、六年いたように思う。 明治初期の頃の書生は、青雲の志に燃えた者が多かつた。その頃は教育機關がまだ整備されておらなかつたので、そのような若者は偉い人の …