身の上やみのうえや
俳句とその成る事情が、戯曲や小説に企て及ばないものがあるといったが、その感をもっとも深くしたのは、 身の上や月にうつぶく影法師 の句である。この句だけで解ったとしたら私のいう意味とはひどく掛け違ったものになる。 伊勢の津城主藤堂家領地に起っ …