当選の日とうせんのひ
こんど、國民新聞の短篇小説コンクールに當選したので、その日のことを、正直に書いて見ようと思ふ。私は、ことしのお正月に、甲府の人と平凡な見合ひ結婚をして、けれども私には一錢の貯金も無し、すぐに東京で家を持つわけに行かなかつた。家の敷金として、 …