「灯火節」あとがき「とうかせつ」あとがき
もう二十何年か前、昭和の初めごろ、私は急に自分の生活に疲れを感じて何もかもいやになつてしまつた。それまで少しは本も読み、文学夫人といふやうな奇妙なよび名もつけられてゐたけれど、そんな事ともすつかり縁をきつて、ぼんやりと庭の草取りなぞして日を …