箱根神社祈願の記はこねじんじゃきがんのき
明治四十五年の夏、われ箱根山下の湯本村にありて、聖上陛下御重病の飛報に接し、夢かとばかり打驚きぬ。この飛報は、瞬くひまに、山又山を越え、海の外までも傅はりて、一團の愁雲忽ち東海の空を掩へり。六千萬の同胞誰か憂懼に堪へざるものあらんや。村の在 …