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『夜の浪』
ふりがな文庫
『
夜の浪
(
よるのなみ
)
』
どちらから誘ひ合ふともなく、二人は夕方の散歩にと二階を下りた。婢が並べた草履の目に喰ひ入つてゐた砂が、聰くなつてゐる拇指の裏にしめりを帶びて感じられた。 『いつてらつしやいまし。』と、板の間に手をつく聲が、しばらく後を見送つてゐることゝ、肩 …
著者
水野仙子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「女子文壇」1913(大正2)年7月
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約8分(500文字/分)
朗読目安時間
約13分(300文字/分)