『新潮』十月新人号小説評『しんちょう』じゅうがつしんじんごうしょうせつひょう
子を失ふ話(木村庄三郎氏) 書かれてゐるのは優れた個人でもない、ただあり來りの人間である。それらが不自然な關係の下に抑壓された本能を解放しようとして苦しむ。作者は客觀的な態度で個々の人物に即し個々の場面を追ひつゝ書き進んでゐる。作者は人物の …