作者の言葉〔『火 第一部』〕さくしゃのことば〔『ひ だいいちぶ』〕
日本に戦争があってくれれば——私は二十年前から、そう考えていた。小説家としての私は、私の存命中に戦争に遭遇したいということを、半ば漠然と、しかし、半ば明確に、希望していたことは否定できない。 スタンダールなどを読むたびに、私だったら、戦争を …