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『幸福の彼方』
ふりがな文庫
『
幸福の彼方
(
こうふくのかなた
)
』
西陽の射してゐる洗濯屋の狭い二階で、絹子ははじめて信一に逢つた。 十二月にはいつてから、珍らしく火鉢もいらないやうな暖かい日であつた。信一は始終ハンカチで額を拭いてゐた。 絹子は時々そつと信一の表情を眺めてゐる。 長らくの病院生活で、色は白 …
著者
林芙美子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約18分(500文字/分)
朗読目安時間
約30分(300文字/分)