とゞこお)” の例文
旧字:
宿料をとゞこおらせた客だからとて、追い出すからにはそれ相当の立退科を出して然るべき筋合かも知れぬとさえ考えられた。
この握りめし (新字新仮名) / 岸田国士(著)
しか当時そのころでは是すら容易に出来ませんことで、先ずとゞこおりなくお目見えも済み、是から重役の宅を廻勤かいきんいたすことで、是等これらすべて渡邊織江の指図でございますが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
渡邊さまの処に御書面がとゞこおって居ましょうと考えますが、私もお上屋敷へは参られませんけれども、買出しかた/″\江戸へ参り、お出入の八百屋にでも頼んで
天竜院において立派に法事を営み、親方の養子夫婦は勿論兄弟弟子一同を天竜院へ招待しょうだいしてときふるまい、万事とゞこおりなく相済みまして、呼ばれて来た人々は残らず帰りましたから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
若し金がとゞこおったらば抵当かたに女房お村を召使に上げるということを証文おもてに書き、それもほんの洒落だからと申しますから、冗談の心持で阿部忠五郎と云う奴に証文を書いて貰って
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)