母親ふくろ)” の例文
実のお母親ふくろの気でいても全くは他人、この魂胆を知っているのは松五郎の生前に聴いたおればかりだ……とお前のところの隠居に云わせるのだ
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
それもできず、また、お洒落しゃれをして気取るのも止められないのは、たった一人のお母親ふくろが一人息子の自分のきりょうよしを大の自慢だからだといった。
美少年 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「お母親ふくろのことはこれ以上いうまいが、なにしろ僕がきりょうよしでそのための人気があるのをただ一つの誇りとして、この世に生甲斐を見出してる女なのだから。かなわねえや」
美少年 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)