可煩わづらはし)” の例文
彼はこの情緒のはげしく紛乱せるに際して、可煩わづらはしき満枝にまつはらるる苦悩に堪へざるを思へば、その帰去かへりさらん後まではして還らじと心を定めて、既に所在ありかを知られたる碁会所を立出たちいでしが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一々底意ありて忽諸ゆるがせにすべからざる女の言を、彼はいと可煩わづらはしくて持余もてあませるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唯憂ただうれひ惑へる己一個おのれひとり措所無おきどころな可煩わづらはしきに悩乱せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)