鼠霜降ねずみしもふり)” の例文
一等室はかなり込み合つてゐるが、革包をそばに置く丈の余裕はある。隣の席は若い西洋婦人である。鼠霜降ねずみしもふりの散歩服を着て、鼠色の駝鳥だてうの羽で装飾した帽を被つてゐる。遠方へ行くのではないらしい。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)