“黒風”の読み方と例文
読み方割合
こくふう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それぎり青年画家の行衛ゆくえは知れなくなってしまった。その夜は近隣の村々に黒風こくふう白雨びゃくうたけりに猛り狂いに狂った。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
で——一陣の黒風こくふうは、橋上からふたつに別れ、広からぬ猫間川を中にはさんで水の行方に添って疾走する。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今は恐ろしき沈黙はすでにとく破れて、雷鳴りでんひらめき黒風こくふう吹き白雨はくうほとばしる真中まなかに立てる浪子は、ただ身をして早く風雨の重囲ちょういを通り過ぎなんと思うのみ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)