麦酒瓶ビールびん)” の例文
悪戯好いたづらずきのある男が弾機仕掛ばねじかけ玩具おもちやの蛇を麦酒瓶ビールびんに入れて、胡桃くるみの栓をしたまゝ瓶を庭先にり出しておいた。
それから二人はせっせと汁を瓶につめてせんをしました。麦酒瓶ビールびん二十本ばかり出来あがりました。「特製御葡萄水」といふ、去年のはり紙のあるのもあります。
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
居住区に入って行くと、通路の真中に卓を長くつらね、両側にそれぞれ皆腰かけ、卓の上は麦酒瓶ビールびん行列ぎょうれつであった。煙草の煙が奥深くこもり、瓶やコップの触れる音がかちかち響いた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「ええ、ひどい風ですよ。大きく口をあくと風がぼくのからだをまるで麦酒瓶ビールびんのようにボウと鳴らして行くくらいですからね。わめくも歌うも容易よういのこっちゃありませんよ」
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)