鯨波げいは)” の例文
敗軍の鯨波げいはは、まっ黒に北へなだれ、西へまよい、その間にもなお多くの死傷者を出しながら、やがて南のほうへ一路潰走かいそうしはじめた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒天鵞絨くろびろうど金糸きんし銀糸ぎんし鯨波げいはを刺繍したかみしもを着た美しい女の口上つかいが鯨の背に乗って口上をのべる。
四面数万の見物人は鯨波げいはを作つて動揺どよめき渡る。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
第二、第三の宮方の鯨波げいはは、津々浦々から、を鳴らして起って来よう。……神ではないが、具行には見えておる。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)