骸子さい)” の例文
博奕を開いた最初一日二日はわざと負けてやり、その間に向うの手筋を看破し、骸子さいしるしを覚えて置いて、それから捲き上げに掛る。
二俵の米に執着し切った彼の頭はしかし、車座になって勝負を争ったその最初から乱れていた。骸子さいころを睨んでいる彼の目は血走り、息はせわしくはずんでいた。
鰊漁場 (新字新仮名) / 島木健作(著)