“馴染客”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なじみきゃく57.1%
なじみきやく42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十月初旬は、いつも柳橋の霜枯れで、女将の留守中はことに馴染客なじみきゃくでもよほど親しい客でなければ上げなかったので、その間は、奉公人にも、骨休みだった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土地の料亭りょうていむか、家で呑むかして、苦悶くもんを酒に紛らせているのだったが、お竹の芸者時代の馴染客なじみきゃくのことでは、銀子たちも途方に暮れるほどの喧嘩けんかがはじまり
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
別にこてこて白粉おしろいを塗るやうなこともする必要がなかつたし、その時は少し病気をしたあとで、我儘わがまゝの利く古くからの馴染客なじみきやくのほかはしばらく客も取らなかつたし
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
浪人北山習之進は丹波屋のめかけお國が、勤めをして居た頃の馴染客なじみきやくで、そばやの半兵衞は借金の抵當に屋臺を取上げられた怨み、經師屋の下職の九郎七は家賃をたつた三つ溜めて