“餓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
60.0%
うえ15.9%
ひも9.0%
かつ6.2%
うゑ5.5%
ひもじ2.1%
0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
米と塩とは尼君がまちに出できたまうとて、いおりに残したまいたれば、摩耶まやも予もうることなかるべし。もとより山中の孤家ひとつやなり。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが、お茶でない何かほかのもののつもりになどはなれないくらいでした。二人はうえも寒さも忘れ、すっかり楽しい気持になりました。
『決して後の事心配しなさるでねえよ。私何様どんな思いをしても、阿母や此児にひもじい目を見せる事でねえから、安心して行きなさるが可えよ。』
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
青木愛之助が、如何いかに刺戟にかつえていたからとて、又彼がどれ程の賞金をけたとて、金ずくで自由になる事柄ではないのだ。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
が、畢竟つまりは慾張りとなまけ者の熱心さで、氣狂ひ染みた雷同性らいどうせいに引摺られて、春の夜の薄寒さも、うゑつかれも物の數ではありません。
その中にあんまりひもじくなったので、今朝、雨が小止みになったのを幸ひ、その開墓を出て街に行った。
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
彼がかつて五千人を一時に養いし時多くの人は「パン」を得んがために彼の跡に附き従いしごとく、永遠かわくことなき水、永遠することなき「パン」を彼はこの世に与え得ざりしならん
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「にあり」「てあり」「といふ」が、「なり」「たり」「とふ」となるのも同様の現象である。「ふ」「われはやぬ」など連語においても、これと同種の現象がある。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)