頬擦ほおず)” の例文
犬の死骸じゃなかろうかと、摺抜すりぬけようとしたけれども、頬擦ほおずるばかりのびんかおりに。……
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お増は無造作に自分の膝へ抱き取った子供の柔かい顔に、頬擦ほおずりなどしながら言った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いままであんまりかまいつけなかった子供を急に大事にしはじめるやら、ちょっと姿が見えないといっては大騒ぎするやら、それを裏庭で「発見」した母親が頬擦ほおずりして泣くやら、父親は
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
と云いながら頬擦ほおずりをした。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)