静岡しずおか)” の例文
旧字:靜岡
はじめ、竜華寺へ行ったのは中学の四年生の時だった。春の休暇のある日、たしか静岡しずおかから久能山くのうざんへ行って、それからあすこへまわったかと思う。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
野菜がない時は、静岡しずおかまで蜜柑みかんを買いに行ったり、信州までリンゴを買いに行ったりした。終戦になってからも、ずっと商売はつづけていた。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
静岡しずおかの何でも町端まちはずれが、その人の父が其処そこの屋敷に住んだところ、半年はんねんばかりというものは不思議な出来事が続けさまで、発端は五月頃、庭へ五六輪
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
江連えづれ当時とうじ榎本えのもと家族かぞくといっしょに静岡しずおかにすんでいたのですが、手紙てがみには、つぎのようにかいてありました。
その時静子の語った、彼女の身の上をごく簡単に記すと、彼女の郷里は静岡しずおかであったが、そこで彼女は女学校を卒業するという間際まぎわまで、至極しごく幸福に育った。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうして東京、横浜よこはま沼津ぬまづ静岡しずおか浜松はままつ名古屋なごや大阪おおさか神戸こうべ岡山おかやま広島ひろしまから福岡ふくおかへんまで一度に襲われたら、その時はいったいわが日本の国はどういうことになるであろう。
時事雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
当歳のを抱いてあの箱根をこえて静岡しずおかに落ちつくまでは、恐ろしい夢を見たようでした
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
次に静岡しずおか、次に浜松はままつ、それからさらに大阪おおさか神戸こうべ京都きょうと金沢かなざわ長野ながのとまわって、最後さいご甲府市こうふしへ来たときは、秋もぎ、冬もし、春も通りぬけて、ふたたび夏が来ていました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
昨日きのうにいさんが、静岡しずおかほうからはなしたのさ、それがまだかえってこないのだ。」
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今度の行幸ぎょうこうはその東京をさしての京都方の大きな動きである。これはよほどの決心なしに動かれる場合でもない。一方には京都市民の動揺があり、一方には静岡しずおか以東の御通行さえも懸念けねんせられる。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)