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バルコニー
ふりがな文庫
“
露台
(
バルコニー
)” の例文
旧字:
露臺
ふと見ると、その窓側の
露台
(
バルコニー
)
に、古びた長椅子の上に、真鍮のボタンの付いてゐる上衣を着た一人の老人が腰掛けてゐました。
首相の思出
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
外壁に立って
呶号
(
どごう
)
する町の英雄、こわごわ
露台
(
バルコニー
)
から覗いている王女の姿が一つぽっちりと見える——時間こそは何という淋しい魔術であろう。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
政庁の
露台
(
バルコニー
)
には州知事をはじめサンダカン市の名誉職達が花束を持ちながら並んでいる。道路には警官が立ち並んで大声で群集を制している。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あなたは
縫
(
ぬ
)
うて居られた彼
露台
(
バルコニー
)
の
夕
(
ゆうべ
)
! 家の息達と令嬢とマンドリンを
弾
(
ひ
)
いて歌われた彼ヹランダの一夜! 彼ヷロンカの水浴! 彼
涼
(
すず
)
しい
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
美奈子が、黙つたまゝ、
露台
(
バルコニー
)
の欄干に、長く長く倚つてゐるときなど、母は心配さうに、やさしく訊ねた。が、そんなとき
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
それを見すまして私は力一杯に老人を四階の
露台
(
バルコニー
)
から下に引きずり落しました。お蔭で老人は助かりました。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かのシムラが図書閲覧室やペリティの店の
露台
(
バルコニー
)
に囲まれながら見えてきた折りから——私はずっと遠くのほうで誰かが私の
洗礼名
(
クリスチャンネーム
)
を呼んでいるのに気がついた。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
そして、御殿の
露台
(
バルコニー
)
には、お
姫
(
ひめ
)
さまたちが立っていました。しかし、どのお姫さまも、ヤルマールが前にあそんだことのある、よく知っている、小さな女の子たちばかりでした。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
其中に
愈々
(
いよ/\
)
初日は来た。
而
(
そ
)
して
丁数
(
ちやうすう
)
は進んで彼が虎となつて現はるべき三幕目となつた。彼は笑い顔一つせずに虎の縫ぐるみを着て、知らせの木と共に球江邸の
露台
(
バルコニー
)
上
(
うへ
)
に横たはつた。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
遠い野から、草の刈られた牧場の
香
(
かお
)
りが漂ってき、隣の
露台
(
バルコニー
)
から、一
鉢
(
はち
)
の丁字の花の
匂
(
にお
)
いがしてきた。空気はよどんでいた。天の川が流れていた。一本の煙筒の真上に、北斗星が傾いていた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ある蒸し暑い
雨
(
あま
)
もよいの
夜
(
よ
)
、舞台監督のT君は、
帝劇
(
ていげき
)
の
露台
(
バルコニー
)
に
佇
(
たたず
)
みながら、
炭酸水
(
たんさんすい
)
のコップを片手に詩人のダンチェンコと話していた。あの
亜麻色
(
あまいろ
)
の髪の毛をした
盲目
(
もうもく
)
詩人のダンチェンコとである。
カルメン
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
舞台正面は座敷の縁、二階から突き出た
露台
(
バルコニー
)
。庭を距てゝ狭い道路
五月晴れ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
美奈子が、黙ったまゝ、
露台
(
バルコニー
)
の欄干に、長く長く
倚
(
よ
)
っているときなど、母は心配そうに、やさしく
訊
(
たず
)
ねた。が、そんなとき
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あゝ老人がゐる。四階目の
露台
(
バルコニー
)
に老人が一人残つてゐる。どうかして助けてやらなくつちやと、口々に我鳴りたてるが、誰一人どうしていゝかは解らないのです。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夜露にぬれた花園の薔薇は、
露台
(
バルコニー
)
に立つた私の着物に雨のやうに香水をふりそゝぎました。その夜の私の姿はどんなに美しいことだつたか、とても今は申されません。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
その時知事は
露台
(
バルコニー
)
の上から、その探検の成功と隊員の無事とを祈りながら花束を自動車へ投げ込んだ。それに続いて名誉職達は手に手に持っていた花束を雨のように下へ投げ下ろした。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜更けまで
骨牌
(
カルタ
)
をしたのちに、倶楽部の
露台
(
バルコニー
)
へ出ると、彼らはそこにもいる。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
花園の
露台
(
バルコニー
)
で薔薇の香に包まれて、たゞひとり月に歌つた頃を想ひ出さずには居られなかつた。その頃は「幸福」の森のことばかりを夢見て、現在の自分を寂しい者だと思つた。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
何分
(
なにぶん
)
夜
(
よ
)
のことでしたから火足はかなり速く、皆が火事だと気が付いた頃には、ホテルはもう一面火に包まれてゐました。見ると、第四階の
露台
(
バルコニー
)
に老人が一人
煙
(
けぶり
)
に包まれて立つてゐるぢやありませんか。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこで少年は老人が降して呉れた梯子を昇つて
露台
(
バルコニー
)
へ上り、老人の椅子の傍に立つて
首相の思出
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
その上私は生れつきこの様に美しい姿を持つて居りましたから——私が七つの時初めて家の
露台
(
バルコニー
)
で、月夜の晩に、お月様のために、私の即興詩を歌ひましたら——たちまちそれが評判となつたのです。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
“露台”の意味
《名詞》
屋外に張り出した屋根のない板敷の縁。テラス。バルコニー。
紫宸殿と仁寿殿との間にある板敷で屋根のない場所。
(出典:Wiktionary)
“露台(バルコニー)”の解説
バルコニー (balcony)は、一般に建物から外部に張り出した手すりつきの開口部。露台(ろだい)ともいう。ベランダとの違いは、庇や軒がかかっているかどうかによる。
(出典:Wikipedia)
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
台
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“露”で始まる語句
露
露西亜
露出
露骨
露店
露顕
露地
露草
露呈
露見