陶器せと)” の例文
しかしただ噴き出すのでは面白くないので、そこには陶器せとの蛙が取り付けてあって、その蛙の口から水を噴くようになっている。
彼女は下へおりて行ったが、二分ばかり立って、安物の陶器せとの水飲みに、水を入れて引っ返した。が、彼はその先どうなったか、もう覚えていなかった。
熟々つくづく視ればどこにかおもかげが似通って、水晶と陶器せととにしろ、目の大きい処などは、かれこれ同一そっくりであるけれども、英吉に似た、と云って嬉しがるような婦人おんなはないから、いささかも似ない事にした。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)