附属ふぞく)” の例文
旧字:附屬
この叡空上人は大原の良忍上人りょうにんしょうにん附属ふぞく円頓戒相承えんどんかいそうじょうの正統であって、瑜伽ゆが秘密の法に明かに当代に許された名師であった。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私の家は、幸に竹早町の高等師範しはんに近いところにあったことの縁もあって、上の子供は、例外なく小学校時代はその附属ふぞくに入れて貰った。中学校時代も入れて貰ったのが多い。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
その地下室はもとどこかの事務所らしかったが、久しく人の姿を見うけない。それがみょう陰気いんきくさいのだ。また、大学病院の建物も橋のたもとの附属ふぞく建築物だけは、置き忘れられたようにうらさびしい。
馬地獄 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「いいえ。ここはこの向うの家の地面なのですが家の人たちが一向かまわないで子供らの集まるままにして置くものですから、まるで学校の附属ふぞくの運動場のようになってしまいましたが実はそうではありません。」
虔十公園林 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)