閨戸ねやど)” の例文
里々の男は、今、女の家の閨戸ねやどから、ひそひそと帰って行くだろう。月は早く傾いたけれど、光りは深夜の色を保っている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
もちろん燈灯ともしびをともしては館の者に気づかれるおそれがあるから、明りもない閨戸ねやどとばりうつろにしては
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
里々の男は、今、女の家の閨戸ねやどから、ひそ/\と帰つて行くだらう。月は早く傾いたけれど、光りは深夜の色を保つてゐる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
をとめの閨戸ねやどをおとなふ風は、何も珍しげのない国中の為来しきたりであつた。だが其にも、曾てはさうした風の一切行はれて居なかつたことを主張する村々があつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おとめの閨戸ねやどをおとなうふうは、何も、珍しげのない国中の為来しきたりであった。だが其にも、かつてはそうした風の、一切行われて居なかったことを、主張する村々があった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)