“閨房”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいぼう76.9%
ねや11.5%
おくのま3.8%
ふしど3.8%
ハレーム3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはまさしく閨房けいぼうであった。ぎぬで幾部屋かに仕切ってあった。どの部屋にも裸体像があった。いずれも男女の像であった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
翌日になって豊雄は閨房ねやから逃げ出して庄司に話した。庄司は熊野詣くまのもうでに年々来る鞍馬寺くらまじの法師に頼んで怪しい物をとらえてもらうことにした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
南は閨房おくのまで新人とさし向っていた。新人はやはり悲しそうな顔をしていたが、それでも何処かに艶めかしいところのあるのが眼に注いた。南はそれに嫉妬を感じた。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一二一我が身ひとつはもとの身にしてとあゆみめぐるに、むかし閨房ふしどにてありし所の簀子すのこをはらひ、土を積みてつかとし、雨露をふせぐまうけもあり。よべれいはここもとよりやと恐ろしくもかつなつかし。
印度のジャクダブール河の上流にある Camarayanaカーマラヤーナ ——「迦摩カーマ閨房ハレーム」の陶酔境は、ちょうどこのようなものだろうと思われるのだった。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)