門者かどもり)” の例文
寺の内の暗さに見えざりしが、かく言はれてその人を見れば、我恩人の館なる門者かどもりの妻にてフエネルラといふものなりき。
門者かどもりに祕書官相澤が室の番號を問ひて、久しく踏み慣れぬ大理石の階を登り、中央の柱に「プリユツシユ」を被へる「ゾフア」を据ゑつけ、正面には鏡を立てたる前房に入りぬ。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
こゝにはおごそかなるよそほひしたる門者かどもり立てり。兩邊にともしびを點じたる石階を登れば、前房あり。僮僕しもべあまた走り迎へて、我帽と杖とを受取り、我が爲めに正面なる扉を排開したり。
門者かどもりに秘書官相沢がへやの番号を問いて、久しく踏み慣れぬ大理石のきざはしを登り、中央の柱に「プリュッシュ」をおおえる「ゾファ」をえつけ、正面には鏡を立てたる前房に入りぬ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)