鋒尖ほこさき)” の例文
世をのろあまって、意地悪く吐出す罵倒や嘲笑ちょうしょう鋒尖ほこさきを彼女は全身に刺し込まれても、ただ情無く我慢するだけ、苦鳴の声さえ聞取られるのに憶している。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
一団の先頭には騎馬にまたがった反絵が立った。その後からは、たての上で輝いた数百本の鋒尖ほこさきを従えた卑弥呼が、六人の兵士にかつがれた乗物に乗って出陣した。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それゆえに、昇のざればみも鋒尖ほこさきが鈍ッて、大抵は、泣眠入なきねいるように、眠入ッてしまう。こうまで昇を冷遇する。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)